あの下げ、なんだったの?

Browse By

 この3日間で、日本株市場は大幅に戻した。 海外の投資家を中心に、売り込んでいた連中が買い戻しに入ったのが、急反発の要因とのこと。

 彼らは潮の流れに敏感で、株価が戻りに入りそうと感じたら即座に、それまでの売りポジションを解消する。 相場上昇に担ぎ上げられないよう先手を打つわけだ。

 いよいよ潮の流れが変わって、株価全般は上昇に転じるのか? いや、そこまで見通せなくても、ここはいったん買い戻しておこうかで動く。 いつでも彼らの逃げ足は速い。

 わかる、このあたりのニュアンス? ちっと前まで、日本株市場で好き放題に売りを仕掛けてきたのも、同じ彼らである。

 ガンガンに売り込んでいる間も、いつでも買い戻しに入れるよう、すごく神経をとがらせていたはず。 そういった彼らが、海外からの売りのご本尊だったというわけ。

 彼らにとって幸いというか、これが日本の投資家と見下しているというか、彼らが全神経をとがらせて恐れる買いが日本サイドから一向に入ってこない。

 日本の投資家が買ってこないということは、現状の下げ相場が戻りに転じることはなかろう。 そう読んで、彼らは先週までやりたい放題で売りを仕掛けてきたのだ。

 そう、いつも書いている通り、下げ相場をビクビクしたり、下値のめどはとか言っている暇があったら、現物株の買いをどんどん入れてやることだ。

 これをやられたら、海外の売り仕掛けは即座に手を引く。 今週に入っての急速な戻りと同じ現象が、ずっと早い段階で、たとえば1月や2月の下げ相場でも見られたはず。

 とはいえ、それを機関投資家に期待しても詮無きこと。 日本の機関投資家の間では、いまや日本株運用の80%前後がインデックス先物となっている。 だから、海外の売り仕掛けに振り回されてはドタバタするだけだ。

 やはり、個人の長期投資が出てこなければ、日本株市場のだらしなさは解消されないだろう。 それか、さわかみファンドがもっともっと大きくなることだ。

 言っておくが、この先また海外の連中が売りを仕掛けてきたら、すぐさま日本株は大きく下げるよ。 それが嫌なら、われわれと一緒に行動あるのみ。

               *          *          *

 熊本の皆さん、一刻も早い復旧を願っています。 頑張ってください。

 ★広告 さわかみグループが支援した映画「ザ・テノール」のDVD発売中! あの感動をぜひもう一度!! http://scpshop.jp/

 ★注意 上記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。