公的年金の株式運用(後篇)

 長期の積立金である年金を運用するのなら、長期の株式投資を主体としたものにすべきと書いてきた。 最終日の今日は、具体的にどんな方法でいくかだ。

 もう15年ほど前から折にふれて提唱してきた、国民ファンドの運用と同じく、公開の運用競争でより良い成績を競わすのが一番いい。

 すなわち、我こそはと名乗りを上げた運用会社に、一律で200億円を運用委託する。 手を挙げる運用会社の基準は、日本株の運用能力を有している投信委託会社か一任運用会社まで。

 また、競争運用の条件は日本株の現物運用のみ。 先物やデリバティブは無しとすることで、大きなマーケット波乱があった時の歯止めを講じて、年金資産の保全を第一とする。

 この条件に応じれる運用会社は、多くても50社ぐらいだろう。 一社あたり200億円ずつを委託することで、初年度は1兆円を日本株の競争運用にまわせる。

 次年度は、1年間の運用成績でもって資金割り当て分に差をつけてやる。 3年度は、ここまで2年間の累積の成績でもって割り当て分を決める。 4年度以降も同様。

 このように、累積の成績でもってより多くの割当額を決めていく方法が、年金のような資金には一番である。 透明でフェアな運用競争を展開させられるし、結果的には長期の安定運用ができるところに、より多くの年金資産を運用委託することになる。

 毎年1兆円ずつ新たに競争運用に投入していくことで、10年間では10兆円を日本株運用にシフトできる。 コンスタントな資金投入で、株式市場に余分な憶測を呼ぶこともない。

 同時に、最近はインデックス先物でもって日本株運用としている多くの運用会社に、ていねいな個別株リサーチや個別株運用の能力を高めさすことができる。

 ところが、ここまでの公的年金の株式シフトでは、年金資金積立て運用機構(GPIF)が、外資系の運用会社を中心に巨額の資金を運用委託している。

 その選定基準は、いろいろな角度からみて運用能力があると判断されたところとなっている。 そんな、あいまいでかつ過去の実績とかで運用委託先を決めるなんて、まさに事なかれ主義で無責任極まりない。

 昨日も書いたように、公的年金はどっしりと長期運用すべきものであり、短期の成績を求めるディーリングやトレーディング商いに走ってはならない。

 その意味でも、意欲と実力を問うオープンな運用競争を展開し、累積の成績でもってより多くの資金を委託するのが、公的年金の運用では一番の方法である。

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