マーケットでのリスク回避と、生活でのリスク回避、どちらが大事ですか?

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 昨日は急ぎの仕事が入ってしまい、長期投資家日記は書けず、ごめんなさい。 公益認定を申請している、お金をまわそう基金で追加の提出書類に終日かかわったため。

 表題のように、マーケットでのリスク回避なんて書き出すと、ちょっとマスコミっぽく映るかもね。 それを意識したうえで、今日は敢えてキャッチーなタイトルにした。

 キャッチー? そう、できるだけ多くの皆さんに関心を持ってもらい、真剣に考えかつ行動に移ってもらいたいからだ。 もちろん、大事なのは生活でのリスク回避である。

 年初からのマーケット波乱は、まだしつこく続いている。 ただ、そんなものは売りに脅えている人たちが浮き足立っているだけのこと。

 大体からして、マーケットでのリスク回避なんて、儲けよう儲けようでマーケットに群がり集まる銭ゲバ投資家(投機家)たちが大騒ぎしているに過ぎない。 損しそうだから、より安全な投資対象へ資金を避難させようというわけだ。

 われわれ長期投資家は、なにも慌てることはない。 それどころか、この大幅な下げ相場は大バーゲンセールととらえ、どんどん買い増しを進めておこう。

 何を買ったらよいのかわからなかったら、さわかみファンドを買い増してくれたらいい。 運用を担当している草刈が、もうゴキゲンで安値買いの注文を入れてくれる。

 それよりも、皆さん一人ひとりが本気で考えなければならないのは、これから次々と襲ってくる生活リスクをどう回避というか乗り越えていくかだ。

 まだピンとこないとか、自分は大丈夫と高をくくっていると、そのうちユデガエル状態に追い込まれるのは必定。 生活上のリスクに対しては、いくら敏感であってもよい。 なにしろ、自分の生活は自分で守っていかなければならないのだから。

 われわれの生活に絡んでくるリスクの第1は、もう貯蓄の食い潰しが始まっていることだ。 2014年度に家計貯蓄率はマイナス1.3%と、いよいよマイナスの領域に入ってきた。

 これまでは個人の金融資産なかんずく預貯金残高は膨れ上がる一途だった。 なにしろ、日本の家計貯蓄率はすごい高水準の伸びを続けたのだから。 ちなみに、家計貯蓄率は1970年にピークの23%をつけ、バブル崩壊時の1990年でも15%を超えていた。

 家計貯蓄率は先進国の平均で7~8%、消費大国の米国でも5~6%ある。 ところが、先進国でひとり日本がマイナスに落ちてきたのだ。 これから、個人金融資産や預貯金残高は加速して減っていくだろう。

 第2に、家計貯蓄率がマイナス圏に入ってきたということは、給与収入や年金の受け取り額だけでは、現在の生活を守れなくなってきたことを示す。

 毎日の当たり前の生活、三度の食事や温かいお風呂に入ることが、じわじわと厳しくなってきているのだ。 いまの生活を続けたいのなら、預貯金を取り崩して不足分を埋めなければならない。

 現に、貯蓄ゼロの世帯がいまや31%に達するとのこと。 これまで日本は豊かだとされてきたが、その想定が日本社会の下部では徐々に崩れ出しているわけだ。

 そういった辛い現実が、いつ明日は我が身となるか知れない。 アベノミクスのGDP 600兆円構想に頼ることなく、自助の経済行動を高めておくに如かずである。

 第3に、いまだに預貯金で財産を守るとしている人たちが圧倒的に多いが、貯蓄の食い潰しが身近に迫ってからでは遅い。 あるあると思っている預貯金残高なんて、あっという間に減っていく。

 ある間に、できるだけ多くの預貯金を本格的な長期投資の方へ移しておくことだろう。 それと、すこし生活消費を抑えてでも長期の積立て投資を進めておこう。

 ゼロ同然の利子では、せっかくの預貯金財産は増えっこない。 その横で、貯蓄の食い潰しが身近に迫っているのだ。 資産防衛のためにも、長期投資に踏み込んでいった方が賢いと思うよ。

 まだ書きたいこといっぱいあるが、今日はここまで。 なお、「あなたの預貯金、本当に安全か」といった書名の新著を4月に出すべく、いま執筆中。