暴落相場、恐れることないよ

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 新年から株式市場は荒れている。 中国からの資金流出が続き元安に歯止めがかからないとか、中国経済の成長スピードが落ちているし株安も止まらないとか、中東でのイスラム国問題や民族・宗派の対立とかを嫌気した、リスク回避の売りが出ているからだ。

 結論からいうと、われわれ長期投資家はマスコミと一緒になって時事ネタを追い回す必要もなければ、まして暴落相場を不安がることもない。 むしろ、安値はどんどん買い増ししていこう。

 考えたらわかるが、暴落相場なんてものはほとんどが、儲けよう儲けようで株価を追いかけてきた連中の売り急ぎからくる。 彼らの大半がディーラーというか株式トレーダーという連中であって、マーケットに張りついては値動きだけを追いかける。

 儲かると思えばどんどん買ってくるし、損しそうとなれば大慌てで売り逃げを図る。 投資価値なんてものはどうでもいい、ひたすら値動き次第で買いにも売りにもまわる。

 ヘッジファンドも同じ類だが、買いでも売りでもレバレッジをかけて、小幅な値動きでもテコの原理を利用して大きく稼いでやろうとする。 暴落相場ともなれば、先物などを動員して売りに拍車をかけたりもする。

 暴落相場に輪をかけるというか、追い打ちをかけるように一層の下げを現出させるのが、世の多くの機関投資家である。 彼らは日々の仕事として投資価値の分析に精を出してはいるが、ひとたび暴落相場となるやリスク回避とかで投資価値を無視した売りに一変する。

 機関投資家の多くは投資家顧客に対し、いつも説明のつくような運用を求められる。 暴落相場に遭遇して、なんらリスク回避の手立てを講じなかったという批判は避けたい。

 どこかで見切りをつけて売却し現金にしておけば、組み入れ銘柄が大きな評価損を蒙ったままということで、運用のぶざまさを糾弾されることはない。 これは機関投資家の処世訓といったもので、世界中でやっている。

 ここまで書いてくれば、もうお判りだろう。 暴落相場を大騒ぎしている最中で唯一はっきりしているのは、ほとんどの投資家が投資価値など無視で売りまくっているという現象というか現実だ。

 だから、われわれ長期投資家は静かにかつ敢然と買い増しの姿勢を高めるのだ。 将来に向けて投資価値を高め続けている企業の株式が、二束三文で叩き売られているのを、ありがとうといって買い仕込みしておかない手はない。

 ここからさらに下げても、一向に構わない。 株価が下げたところで、われわれが応援しようとする企業のビジネス基盤がなくなったりするわけでもないのだから。

 世界中の生活者にとって、なくなったら困るというビジネスを展開している企業をしっかり選別しておけば、なんにも恐れることはない。