世の中を変える?つくっていく?

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 貧困、差別、テロ、武力抗争、宗教対立、富の集中による新しい格差、、、、。 世界的にみても、やっかいではあるが撲滅しなければならない課題が山積している。

 それに対し、実に多くの人々がいろいろな立場で地道な努力を重ねている。 国連など国際的な機関から、NGO やNPO そして民間人まで、なんとか事態を改善しようと頑張っている。

 問題の多い現実を直視して、それをなんとかを変えようとするのは、意外と難しいものである。 身近な日本で考えると、わかりやすい。

 日本の財政は危機的状況にある。 企業経営や家計であれば、支出を徹底的に抑えて、少しでも収入の増加を図るだけのこと。 ところが、既得権や利権が政官財のあちこちにはびこっていて、予算の大幅カットはなかなか実行できない。 一方で、そういった存在は税金を食うだけで、国庫収入の増加につながる役割は何ひとつ果たしていない。

 年金や医療費など社会保障費の止めどもない増加も、既得権益層という一面を持っている。 生活に苦しむ高齢者がどんどん増えている横で、豊かな老後を謳歌している人々も数多い。 その辺りの不公平さや社会全体の矛盾にメスを入れようとする政治家は、とんと出てこない。 なぜなら選挙に負けるから。

 制度の変更ともなると、あちらこちらから反対の声が上がる。 正当な反対意見もあれば、現行制度を変えられては困る人達も、いろいろな理由をつけてくる。

 だからといって、中国のように共産党の一党独裁なら、すっきりとした政治ができるというものでもない。 共産党員中心のとんでもない既得権が、中国社会に覆いかぶさっているではないか。

 そう、社会問題の多くには利害が複雑に絡み合っているのだ。 たとえば、貧困の撲滅のために富の分配を調整しようとなると、どの人もお金を減らしたくないから、あれこれ言って猛反対する。 つまるところは、べき論を重ねるだけで時間を浪費するだけのこと。

 どうしたらいいのか? 現実を変えようとするよりも、新しい価値観をつくっていくことだろう。 「いろいろ問題があるのなら、どうすれば良いのか、どういった方向が良いのか」で、すっきりとした生活空間や社会をつくっていくのだ。

 われわれ長期投資家ならば、自分も頑張って働くが、自分のお金にもしっかり働いてもらう。 お金に働いてもらうといっても、マーケットでマネーゲームに明け暮れるのとは一線を画し、経済の現場で社会的富の増加に資するべく地道に働いてもらう。

 経済の拡大再生産に寄与し続ければ、その分け前としてのリターンは後からついてくる。 リターンを再投資していくことで、自分の財産は積み上がっていく。

 そのうちどこかで、自分のファイナンシャル・インデペンデンスが見えてくる。 そこから先に積み上がっていくというか、生まれてくる金銭的余裕は、どんどん社会にまわしていけるはず。

 そういった余裕を社会にまわさせてもらうことで、貧困の撲滅をはじめ社会的な矛盾に対し、利害の伴わない社会正義や倫理観をベースとした役割を果たしていけるのだ。

 カッコいいと思わない? 普通そういうことを言うと、青臭い理想論の一言で片づけられてしまう。 しかし、われわれ長期投資家からすれば、時間を味方につけることで、いつかは実現してしまえる、カッコいい挑戦にすぎない。

 皆さん、新年はカッコいい人生に向かって、どんどんスピードアップしていきませんか?