マーケットに対しては、つかず離れずで

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 マーケットには、大きくいって二つの機能がある。 ひとつは需要と供給の力関係を、価格変動で調整する機能である。

 すなわち、買いのエネルギーが強ければ、マーケットでの価格が上昇していく。 それをみた売りが増加することによって、どこかで需要と供給がバランスする。

 逆も同じで、今週のギリシア問題のような悪材料がでると、それを嫌気した売りが殺到する。 それで、株価など価格は急落する。

 価格が相当に下がると、この辺りなら買ってもいいだろうといった投資家が、どこからか集まり始める。 そういった買いでもって売りを吸収してしまえば、暴落相場は収まりむしろ反転上昇に入っていく。

 この価格変動による需要と供給の調整作業を、一か所でまとめてやってしまえば便利だし効率的である。 その場が、マーケットである。

 もうひとつの機能が、価格変動という情報発信である。 マーケットでは需要と供給の力関係が時々刻々と調整される。 それが価格変動という情報となって広く世に知られることになる。

 時々刻々と変動する価格をみて、新たなる買いならびに売りがどんどん集まってくることが重要である。 それが経済活動をより活発にさせる作用をもたらす。

 そういったマーケット機能に対し、われわれ長期投資家はつかず離れずの立場を崩さない。 マーケットの価格変動に飛び込んでいって、そこでの値ざや稼ぎに走るトレーダー投資家とは違う。

 あくまでも長期投資家としてのスタンスを堅持して、安ければ断乎とした買いを入れるし、高くなればすこしずつ売り上がっていく。

 これも、マーケットの需要と供給の調整作用と価格変動情報があってのことだが、マーケットにどっぷり浸かることはしない。

 世界の金融マーケットはギリシア問題で揺れているが、マーケットとはつかず離れずの長期投資スタンスを再確認する良い機会である。