もっと豊かに、もっと心豊かに

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 人は額に汗して働き、その日の糧を得る。 それが生活ということで、何千年前からなにも変わっていない。 せいぜい、より多く働いた人が少しずつ蓄えを増やしていって、長者とか資産家となっていったぐらい。

 そこへ、われわれは長期投資を手に入れた。 手持ちのお金にも働いてもらうのだ。 自分の働きが右足だとすると、手持ちのお金は左足の働きをする。 右足と左足の両足でしっかり立って生きていけば、それに勝ることはない。

 それどころか、右足の働きは肉体の老化などで、やがて限界が来る。 一方、手持ちのお金の働きは複利の雪だるま効果もあって、時間が経てばたつほどに力を増していく。

 当初こそ、自分が頑張って働くのと手持ちのお金の働きとが、しっかりと二人三脚を組んで頑張る図式が一般的である。 ところが時間の経過とともに、お金の働きの方はどんどんスケールアップしていくことになる。

 つまり、どんどん豊かになっていけるのだ。 どんなに小さな資金でも、毎月の積立て投資を長年続けていけば、驚くほど大きなお金に育っていく。

 そう、長期投資を人生に組み込むことで、誰でも豊かになっていけるのだ。 若い人は積立て投資をフル活用すれば、20年30年後には結構な財産を築くことができる。

 高齢者は預貯金など、これまでの蓄積がそこそこあるはず。 それは、長期投資の時間を稼いでくれているのと同じこと。 これまでため込んだ資金を、どーんと長期投資に振り向けてやればいい。

 誰もが長期投資をかましてやることで豊かになっていける。 だからといって、自分は怠け癖がつき、お金だけに働け働けでは、長期投資のそもそもから外れていってしまう。

 長期投資とは、こんな社会をつくっていきたいという夢や願望に向かって、お金にも働いてもらうことである。 それなのに、自分の生活がダラケて享楽的になっていくと、お金も働き場所が分からなくなってしまう。

 ただお金を増やせばいいだろうという価値観が台頭してきて、その挙げ句はマーケットでひたすらお金を追いかける輩となっていく。 つまりは、長期投資家の路線から逸脱してしまい、ゆっくり豊かになっていくというパターンが崩れ落ちることになる。

 そこでだ、長期投資である程度の資金的な余裕感が出てきたら、少しずつ世の中にまわさせてもらうことが大事になってくる。 そういった価値観を高めることで、長期投資のパターンは崩れるどころか、ますます磨きがかかってくる。

 豊かさを自分の贅沢とか享楽的につかうのではなく、文化・芸術・教育・スポーツ・技術・寄付・ NPO ・ボランティアなどに意識してまわさせてもらう。 これが、もっと心豊かにだ。