上がってニコニコ、下がってもニコニコ

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 これは投資全般に言えることだが、株価はじめ相場は上がってほしい。 上がっていれば、それだけ投資収益が膨らむのだから、誰だってそう願う。

 逆に、下げ相場は御免蒙りたい。 株価や相場が下げた分だけ、自分の財産が目減りしてしまうのだから、誰もがうんざりする。 本当は、別にどうってことないのだがね。

 相場が暴落したり大きく下げたところで、慌てて売らなければ実現損にならない。 しばらくして株価や相場が戻ってくれば、あの大騒ぎなんだったのとなる。

 それでも人間の心理として、株価や相場が強いトレンドにある方が気持ちが明るくなっていい。 下がっていると、どうも気が重くなるのものだ。

 ところが、投信で毎月一定額の積立て投資をしていると、下げ相場は大歓迎となる。 下げ相場で基準価額が下がると、毎月一定額の投資でも購入できる口数が多くなる。

 投信での財産づくりは、積み上げた口数に掛けることの基準価額の積で示される。 だから、保有する口数が多くなればなるほど財産額も膨れ上がることになる。

 したがって、下げ相場で口数をたっぷりと増やしておけるのは、長期の財産づくりにとんでもないプラスとなる。 後で基準価額が大きく上伸してきた時に、総口数と基準価額との掛け算の積である財産額はグーンと膨れ上がるわけだ。

 たとえば、さわかみファンドでいえば設定来15年と8カ月の間に、2度も平均株価が1982年の水準にまで叩き売られた。 日本のバブル崩壊による不良債権処理と、リーマンショックだ。

 さわかみファンドの基準価額も2003年には瞬間だが7000円台に、2008年には8000円台まで大きく下げた。 そんなにも下げなくてもいいのにと、ウンザリさせられたものだ。

 2度の大下げを乗り越えて、さわかみファンドの基準価額は23000円台と堂々たるもの。 設定来の成績も複利年率で5.4%となっている。

 それがだ、毎月きちんと積立て投資をしていたファンド仲間は、なんと複利年率で7.2%を超える成果を手にしているのだ。 7.2%というのは、10年で2倍20年で4倍の財産づくりが進んでいくことを意味する。

 これが、積立て投資の凄いところである。 毎月、銀行や郵便貯金の口座から契約した金額が引き落とされ、自動的にファンド購入にまわっていく。 

 相場が大きく下げた時など、投資するのをためらいたくなるものだが、積立てはお構いなしで買ってくれる。 それが結果として、びっくりするほどの安値買いを断行してくれることになる。

 まさに、下がってもニコニコである。 実は、これが投資の王道であるが、それを積み立て投資はごく自然体でやってくれてしまうのだ。 すごいと思わない?