銭ゲバでない、本当の投資を学ぼうよ

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 週末は土曜日が福岡で、日曜日は熊本で熱のこもった勉強会をやってきた。 どちらも参加者のほとんどが投資なんてやったことのない人たちだった。 それで、はじめのうちは警戒気味だったが、途中から一気に熱のこもった雰囲気となっていった。

 どう熱がこもっていったかというと、会場の皆さんが「なんだ、長期投資って生活の一部なのか}と納得しだしてからだ。 自分も頑張って働くが、それは右足である。 お金にも働いてもらうのが左足で、両の足でしっかり立っていくということが腹に落ちて、みな眼が輝きだした。

 世の中に、自分だけぱっぱと儲かる話などあるわけがない。 切った張ったの相場の世界で、損をせずに百戦百勝で資産を積み上げていくなんて夢物語に過ぎない。 だから、皆まじめに働いて生活しているはず。

 ところが、投資といった瞬間に、自分だけうまいこと儲けようとか、ぱっぱと値ざやを抜こうとする。 世の中に、そんなおいしい話が転がっているわけがないから、みな投資の現場で悪戦苦闘する。

 それでいて、なかなか儲からない。 むしろ、損してしまうケースが多い。 だから、投資は難しいとか、リスクが多いということになる。

 長期投資は、そういった銭ゲバとは違う。 儲けよう儲けようで血眼になりはしない。 より良い世の中をつくっていく方向で、お金にゆっくりと働いてもらう。

 いつの時代でも、将来をつくっていくのは先見性と実行力ある事業家であり企業である。 そこで長期投資家は、これはと思う企業の株主となって、そこの経営をとことん応援しようとする。

 応援しようとする以上は、みなが売っている時ほど応援し甲斐がある。 株価が大きく下がっている時は、ひたすら応援の買いを入れる。 状況が良くなって株価も大きく買われてきたら、応援はガツガツ買ってきたにわか応援団にしばらく任せようと、少しずつ売り上がっていく。 それが長期投資の利益確定である。

 投資なんて安く買って高く売るだけのことだが、応援しようという気持ちさえ高く持っていれば、ごく自然体でできてしまう。 それも、企業や社会に喜ばれて、お金が殖えて戻ってくるのだから最高である。

 そう、将来をつくっていく方向で企業を応援し、みなが幸せになって、ありがとうといってお金が殖えて戻ってくるのが長期投資である。 どこにも稼ごう儲けようのギラギラ感はない。 後から儲けがついてくるイメージであるから、投資のリターンという。 リターン、つまり戻ってくるのだ。

 その辺りを、ゆっくりと説明していったら、会場の皆さんはどんどん乗ってきた。 そしてだ、「将来をつくっていくというのなら」 で、「長期投資をベースとした生き方とは」 に関連する質問が相次ぎ、勉強会はすごく盛り上がったというわけ。

 とても、予定の2時間ちょっとでは終わりそうになかったから、年内にもう2回やるぞということになった。 その時は、仲間も大勢連れてくるよといって、皆さん帰途に就いた次第。 

 たまたま、福岡と熊本だったが、全国あちこちでこのような展開が着実に増えてきている。 このままいくと、日本は本当に動くぞという思いに駆られる毎週末である。