直販投信の実力と世の評価

Browse By

 最近あちこちで直販投信に対する評価が高まっているのを眼にする。 直販投信への社会的な認識が高まるのは、結構なことである。

 ただ、その認識が運用成績に終始している、そこに若干の懸念を覚える。 成績の評価だけだと、日本の投信全般の成績が酷すぎるが故の相対評価に過ぎない。 それでは、直販投信に対する本当の理解に至らない。

 日本の投信業界は昔から販売手数料稼ぎのビジネスという位置づけでやってきている。 それが、次々と新しい投信ファンドへ乗り換えさせる営業姿勢に、はっきり表れている。

 その結果、基準価額が数千円台に落ちたファンドがゴロゴロする、お粗末な成績の山となっているわけだ。 確りした運用成績を積み上げて、投資家顧客の財産づくりをお手伝いするという、投信本来の姿からほど遠いものがある。

 そこで、さわかみファンドを皮切りにして、都合13本の直販投信ファンドが立ち上がった。 販売手数料稼ぎの道具ではなく、一般生活者の財産づくりのための投信を世に出そうという明確な目的を持って。

 われわれ直販投信が一番ありがたいのは、多くの個人投資家が安心し信頼して大事な虎の子を預けてくれることだ。 そのあたりの認識が、残念ながらまだまだである。

 まだまだ? そう、さわかみファンドで15年半、ありがとうが10年余、他のファンドも6~7年たってきた。 その間の奮闘ぶりは、まさに一般生活者の安心と信頼につながるに十分のものがある。

 しかるに、直販投信に集まってこられている個人は、いまだ20数万人ほどでしかない。 これだけまともに投信ビジネスを展開してきているのに、まだまだ世の中の認識は低いと言わざるを得ない。

 上にも書いたように、日本の投信は個人の財産づくりという面において、ビジネスの姿勢も運用成績も酷すぎる。 だったら、まともな運用で成績を積み上げている直販投信に、雪崩現象のような顧客増加があって当然のこと。

 それが、まだまだ大した流れとなっていない。 悔しいけど、直販投信に対する認識がそんな程度なのだ。 もっともっと頑張ろう、さわかみファンドはじめ直販投信が大きく成長すること、それが日本経済にとっても大事なことなのだから。