寄付文化を高めて、経済活性化を

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 1月9日に設立した、一般財団法人お金をまわそう基金が活動を開始した。 といっても、いろいろな準備に追われてきたので、そろそろ本格稼働するぞといったところである。

 残る準備はホームページの作成だけで、それもあと2週間ほどしたらアップできそう。 そのホームページを通して、お金をまわそう基金ではあらゆる情報を公開し、透明性ならびに社会性を世に訴えていく。

 たとえば、よく寄付活動にまつわる不信感の代表格として、寄付したお金のいくらが実際の寄付に向けられるのというのがある。 運営主体の経費として結構な費用が発生するのは分かるが、どれだけ抜かれているのだろうか? 経費節減努力が足りなくて、寄付団体の維持のために多くの寄付が使われてしまっているのでは?

 その点、お金をまわそう基金では単純明快。 いただいた寄付は100%、寄付先に届けられる。 年間の運営経費は全額、お金をまわそう基金の設立母体である、さわかみ財団から拠出される。

 これまで、さわかみ財団は数多くの寄付や社会貢献活動を展開してきたが、財団の資金だけでは大したこともできない。 だったら、いろいろな寄付を束ねた財団を設立して、広く世の中から寄付をいただこう。 さわかみ財団は、その運営経費を全額持とうじゃないか。

 さすれば、広く世の中から大々的に寄付を集められ、その全額を社会にまわしていける。 それでもって、良い社会をつくっていけるだろうという考えで、お金をまわそう基金が生まれた。

 他に、どんな情報公開がある? 日本のあちこちで、こんなにも頑張っている人たちがいる。 自分がそこまでやれるかと自分に問うたら、そこまではとてもできそうにない。 でも、なにかお手伝いできないだろうかで、お金をまわそう基金は積極的に支援させていただく。

 そういった生情報からはじまって、具体的な支援状況はもちろんのこと、現場訪問やボランティア募集まで、いろいろな情報をホームページに載せていくことになる。

 広く社会を巻き込んだ寄付が、より良い世の中をつくっていく社会運動になっていったら、どんなに素晴らしいことか。 みなで寄付の文化を醸成していくのだ。

 実は、幅広い寄付活動が経済活性化にもつながっていく。 いつも書いているように、経済は動いているお金の量とスピードだから、預貯金に寝かせたままの資金をどんどん寄付の現場にまわせたら、それだけ経済活動は活発化する。

 もうひとつ、お金をまわそう基金では公益財団の認定取得に向けて書類準備を進めている。 公益財団の認定を受ければ、皆さんからの寄付は全額が税控除となる。

 ということは、どうせ税金で持っていかれて意味のない予算につかわれるぐらいなら、使途が明確で社会的意義をたっぷり感じられる方向へお金をまわしたいといった方々に、広く参加してもらえるのだ。

 このお金の流れが高まっていったら、おもしろいことになる。 われわれ一般生活者が、より良い社会をつくっていこうよの思いと自分たちのお金でもって、さっさと世直しを進めていけることになるのだ。