長期投資の先輩

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 週末は大分での勉強会がやたら盛り上がった。 そもそも、佐藤さんという女性が声をかけて10人か20人ぐらいの規模でやろうといっていたもの。 それが、50名を大きく上回る大盛況となった。

 佐藤さんはもともと病院関係のお手伝いの仕事をしていて、いまの給料でいって年金生活に入った時のことを考えると、これはマズイと感じた。 それで、ご自身で猛勉強をされた。

 図書館でいろいろな本を読み漁っているうちに、たまたま自分の本に出会った。 すごく納得されたので、すぐうちのファンド購入を始めた。 それも毎月の積立てだ。

 昨日ご自身で話されているのを聞いて、改めて佐藤さんの踏ん切りの良さに驚かされた。 毎月頑張って3万円の積立てを続けてきて10数年、気がついたらご自身でもびっくりするような財産づくりができてしまったという。

 その佐藤さんが同じ長期投資仲間の首藤さんと、できるだけ多くの人に長期投資の良さを知ってもらおうと参加者を募った。 それが、新年第一番の大分での勉強会となった次第。

 こちらは、さわかみファンドの売り込みをすることは無しで、長期投資は簡単なんだよ、毎日の生活の中にあるんだよという話に徹した。 難しい経済の勉強なんかする必要がない、なにしろ人々の毎日の生活が集まって経済になっていくだけなんだから。

 投資の勉強などすればするほど、銭ゲバ投資の世界に引きずり込まれてしまう。 自分さえ儲かれば、お金が殖えるのなら何をしても構わないが、マーケットの本来の在り様ではない。 そんなことをやらかしていたら、経済の社会も殺伐としたものになってしまう。

 皆で経済のパイを大きくしていこうよ、そしたら皆の分け前も増えて皆が幸せになれる。 経済のパイを大きくするといっても、われわれ生活者からみて皆が心優しく生きていける方向で経済が拡大発展してもらいたい。

 そこが長期投資の大事なところで、投資対象をしっかり選別しなければならない。 経済や銭ゲバ投資の勉強は不要だが、投資対象としてどういった企業を応援していくかの勉強はどんどんやっていこう。 なにしろ、われわれ生活者は企業とともに将来の社会を築いていくのだから。

 そんな話をベースにしての質疑応答は、穏やかでしっとりとしたものになっていった。 真面目に生きている一人ひとりが、自分のお金にもまじめに働いてもらおう。 自分の働きとお金の働きでもって、静かに堂々と生きていこうよといった勉強会となった。

 こういった勉強会はもっともっと増やしていきたいものだ。 佐藤さんのような方がずいぶん増えているのだから、長期投資の先輩として周りに声をかけてもらえれば、長期投資の輪をどんどん広げていける。