株高を国民の富につなげよう

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 いい感じで株価は上昇している。 このままどんどん上がっていってほしいものだ。 ずっと書いてきているように、株高が最も即効性の高い景気刺激要因である。 だから、できるだけ多くの人々が株式投資に参加して、みなで景気浮上の成果を享受しよう。

 よく、株式投資は博打だとか、金持ちがやるものだとか言われる。 博打という面では、相場を追いかけて儲かった損したを繰り返している人たちの多くが、その範疇に入る。

 われわれ長期投資家からしたら、そんな当たるも八卦なんてものは別世界の話でしかない。 じっくりと企業を応援していこうとする長期投資に、博打の要素など入り込む余地はない。

 一方、金持ちがやるものとかいう表現には、きわめて日本的なやっかみ感が入り混じっている。 そんなつまらない固定概念は、一刻も早く捨て去ろう。

 なにがつまらないかって? 株式投資や投信を買うのは、ほんの少しお金を貯めれば誰だってできること。 金持ちとかをやっかんでいる暇があったら、さっさと長期投資を始めて金持ちへの道を一歩踏み出す方がよほど賢い。

 いま預貯金にしておいても、年0.02%前後にしかまわらない。 それに対し、株式投資なら平均の配当利回りで1.76%となり、なんと88倍の差がついてしまう。 これだけの違いに無関心でいるからこそ、表現は悪くて申し訳ないが、いつまでたってもお金持ちになれないのだ。

 株価が下がったら、1.76%の配当分などすぐ飛んでしまう? 慌てて売らなければ、損失は出ない。 ただ株価が下がっただけだ、そのまま保有しておれば良い。

 もともと長期投資は、世の中が必要としている企業を応援しようとして、株主になっているのだ。 人々が毎日の生活で売り上げに貢献している企業が潰れて、株券が紙切れになるなんてことは、まず考えられない。

 投資環境の悪化で株価は下がったとしても、慌てることはない。 投資環境が良くなるにつれて、その企業の価値を評価する買いが必ず集まってくる。 それが相場というものである。

 それよりも、預貯金に日本経済の1.7倍もの巨額資金を寝かせてあることの方が、よほど大きな損失である。 そこから生まれる富は、年2000億円ほどでしかない。 それが、たとえばさわかみファンドのように15年で年4.2%の成績だと、毎年34兆円もの富を生み出せるのだ。

 それだけでは終わらない。 かりに、809兆円の預貯金のたった10%にあたる80兆円でも、長期視野で企業を応援しようと経済の現場にまわしてやれたら、もう日本経済はガンガンの活況となる。 アベノミクスの成長戦略など出番もなくなる。

 皆で長期の株式投資をして日本経済の成長率を高め、国富も財産も増やしていけるのだ。 預貯金マネーという世界最大の眠れる資源を、ほんのちょっと動かすだけで日本経済や社会が陥っているジリ貧トレンドなど、瞬時に一掃できてしまうのだけどね。

 まあ、わかった人からどんどん動こう。 長期投資に向けて動いた分だけは、経済や社会そして自分にも必ずプラスとなるのだから。 動かなければ、ジリ貧に喘ぐだけだ。

 来週は出張の連続なので、長期投資家日記は21日の金曜日までお休みです。