景気は気のもの

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 昨年の初めから折にふれて書いてきたのが、アベノミクスに悪乗りしようである。 悪乗りというのは、アベノミクスは両刃の剣で良い面と悪い面とが重ね合わされているが、今は良い面を全面的に支持してとにかく前向きに動き出そうということだ。

 景気を良くし日本を元気にしたいのは、日本人すべての願い。 だったら、アベノミクスがどうのこうのの議論は横において、日本経済を活性化させるの一点に集中しようではないか。

 いずれはアベノミクスのマイナス面が噴出して来ようが、その前に景気の水準をできるだけ引き上げておく。 経済活動をどんどん盛り上げておけば、それだけ負の局面に対するのりしろが大きくなり、落ち込みも少なくて済む。 だから、悪乗りしようである。

 昨年は、それが上手くいった。 今年に入ってつい最近までは、消費税の8%への引き上げを懸念するムードに押されがちだった。 ここへきて、消費税引き上げの落ち込みはほとんど出ていないということで、経済の先行きに対する安心感が出始めている。

 まさに、景気は気のものである。 多くの人々が前向きの心理に入っていけば、経済活動はどんどん拡大と活発化の方向性を高める。 これは、昔から幾度も繰り返されてきた経済の真理である。

 それは、そうだろう。 人は誰でもより豊かになりたいと願う。 同時に、損したくないとも思う。 まわりが元気に動き出したとなると、自分も遅れてはならじと焦りだす。 逆に、まわりの皆が損失回避で縮こまっている時は、自分も動かずを決め込む。

 ほんのちょっとした心理の傾きで、景気は上へも下にも振れるわけだ。 景気が上向くときは、小さな成功の積み上げが自信となり、より大きな成功への挑戦となっていく。

 現に、消費税は引き上げられたが、経済活動はそう落ち込んでいない。 それをみて、景気上昇の腰は相当に強いのではといった観測が出てきているし、企業の間でも供給力拡大投資の意欲が高まっている。

 この循環をどんどん高めていくのが、日本経済活性化で最重要課題となる。 忘れてならないのは、国やアベノミクスがいくら頑張っても限界があるということ。 したがって、アベノミクスや黒田日銀緩和だけに頼っていてはいけない。

 経済は人々の消費と企業のビジネス活動で、そのほとんどが出来上がっている。 人々が前向きの消費や投資をすればするほど、経済活動は拡大する。 それに応じて、企業の拡大投資も活発化することになる。

 われわれ生活者からすれば、不要不急のものまで無駄に買うことはない。 しかし、文化・教育・芸術・スポーツ・ボランティア・ NPO 的な方向でお金をつかうことは、景気回復を促進する意味でもできるだけ高めたい。

 同時に、長期の株式投資だ。 消費でお金をつかうのも株を買うのも、経済の現場にお金をまわすという点では一緒。 むしろ、景気回復の即効薬効果は一番高いから、皆でどんどん株式購入を進めたいものだ。

 ここで、長期の株式投資を進めることは、もちろんさわかみファンドを買うことは、アベノミクスのマイナス面が噴き出てきた時に、”やってて良かった” と実感しよう。

 マイナス面とは? 景気回復はいいとして、物価上昇は預貯金の価値を下げる。 そして金利の急上昇は国債の値下がりを引き起こし、金融機関や年金に大きな投資評価損をもたらし、受益者である国民の間で不安は広がる。

 いざそうなったときには、株価上昇の恩恵を享受するだけではない。 国債の値下がりで金融機関が大騒ぎする横で、まったく別次元の財産づくりが進んでいるのを実感しよう。