個人のリスク指向が強まっている?

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 今朝の日経新聞にもあるが、個人の財産形成でリスク指向が強まってきているとのこと。 といっても、それは投信購入が増えている、そしてハイイールド債中心の投信への投資意欲が高まっているというだけのことだが。

 まあ、預貯金から投信への資金シフトが進みだしているというのは、良い傾向であり素直に歓迎できる。 預貯金で安全確実にといってきた日本人の財産観が、永久凍土(ツンドラ)状態から少しでも溶け出すのは、本人にとっても日本経済にとっても重要な一歩となる。

 そうはいうものの、ハイイールド債投信への購入意欲が高まっているのは、より高い分配金を期待しての動きに過ぎない。 預貯金の年0.02%の利子では話にならない、それよりもずっと高い分配金を期待できる投信を購入しよう、ということだ。

 この程度でもリスク指向とはいえるが、恐ろしく無知で危険な投資をしていることを知るべきである。 そもそも、ハイイールド債投資で高い分配金を狙うということはどういうことか? 低い格付けつまり信用度で劣る債券発行体に投資していることであり、ひとつ計算が狂うと元本リスクに直面することも覚悟しておきましょうということだ。

 すこしばかり高い利回りに引き寄せられて喜んでいる間は幸せ感に浸れるが、ジャンク債あるいはそれに近い投資対象が値崩れを起こしたら、もう目も当てられない。 債券価格はあっという間にボロボロの価格まで急落するは、簡単に売れないまま評価損の山を築くはの大混乱に陥る。

 そういった右往左往の大混乱の中、狙いすましたように買い叩きに出てくるのが、本当の意味でのリスクを取れる投資家である。 投下資金を失う危険を冒してでも、ボロボロの安値を拾って大儲けしてやろうとするわけだ。 ちょっとばかしの分配金に群がるのとは、えらい違いである。

 日本の個人はどうせ預貯金から投資へ踏み切るのなら、もっと正統的なリスク投資を学ぼう。 それは、作物を育てるような感覚で、自分のお金を大きく実らせる、そういった財産づくりを学ぶことでもある。

 時間は多少かかるし、一時的には投下資金がマイナス圏を這い回ることもある。 しかし、将来的に価値の高まるであろうものは、必ず評価つまり価格も高まる。 そこで投下資金を回収すれば、それなりのリターンも一緒に手にすることができる。

 これが、投資リスクを取るということである。 その一番わかりやすいものが、個別企業を厳選した株式投資である。