長期投資せざるを得なくなる

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 昨日の続編のようにもなるが、今日は日本においてもう否応なしで、長期投資が根付いていくという点について書いてみよう。 もはや時間の問題といってもいい。

 年金が当てにできそうにないから? 預貯金の利子が年0.02%で、10万円を2倍の20万円にするのに3600年もかかって、お話にならないから?

 たしかに年金や預貯金に頼ってはいられないという点は、もう誰もが大なれ小なれ意識していることである。 だからといって、本格的な長期投資に踏み切っている人たちは、まだまだ少数派にすぎないのが現実。 わかっているのに、ほとんどの日本人は何の行動もしていない。

 では、どうして長期投資が急速に根付いていくと自信たっぷりに言えるのか? 日本の家計貯蓄率がゼロに近付いており、早晩マイナス圏に突入しようとしているからさ。

 先進国の家計貯蓄率の平均は7%台にあって、ひとり日本がゼロ同然にまで落ちている。 このままいくと、どの家庭でも貯蓄の食いつぶしが深刻な現実問題となってくる。 そうなれば、お尻に火がついたように貯蓄から投資へのシフトが雪崩を打つことになろう。

 貯蓄率が急低下した最大の理由は、バブルが弾けて23年間というもの日本経済がほとんど成長していないところにある。 その間、新興国はもちろんのこと、欧米先進国でも経済規模は2倍近くに拡大している。

 もうひとつは、1992年9月から日本は超低金利政策に急傾斜し、もう21年間もゼロ金利状態を続けている。 その間、日本の家計は通常の金利水準なら得られるであろう20兆円前後の利子所得を、毎年毎年奪われ続けているからだ。

 本来なら、日本の個人マネーはゼロに近い利子の預貯金から投資へシフトして当然なのだが、そこは貯蓄信仰で凝り固まっているお国柄。 むしろ、将来が不安だから安全重視とかで、預貯金残高は積み上がる一途で800兆円を超えた。

 日本経済が長期低迷する中、貯蓄信仰だけは岩盤さながらで崩れなかった。 それが家計貯蓄率の急低下と、そう遠くない将来のマイナス圏突入となってきている。

 多くの家庭で、今の生活を維持するのに貯蓄の食いつぶしが現実化しつつあるのだ。 もう否応なしで、生活防衛のための投資を真剣に考えざるを得ない。

 なにもしなかったら、自分の将来どころか今の生活も危うい。 となれば、もはや投資は嫌だとか怖いとかで思考停止していられない。 だから、個人マネーが長期投資に雪崩れ込みはじめるのは、そう遠くないと読むわけだ。

 もっとも、預貯金の60%強を持つといわれる高齢者層が、まだ何とかなると思うのは本人の自由でいい。 それよりも現役層だ、まだ先の人生は長いし年金も当てにならないのだから、できるだけ早い段階から長期投資に入っていった方が賢いし、自分の安全にもつながるのだから。

 そこで大事になってくるのが、われわれが先行して長期投資の成功モデルを積み上げておくことだ。 なんだ、長期投資ってそう難しくないんだ、誰にだってできるのだと分かれば、投資に初めての人たちも入ってきやすくなる。

 世の中、百聞は一見に如かず。 長期投資をがんばっている皆さん、自分のためもあるが後からついてくる多くの人たちのためにも、ますます気合を入れていきましょう。