女性は最強の長期投資家

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 来週の半ばに主婦の友社から発刊される新著は、主として若い女性や主婦を念頭に置いて、長期投資がもたらしてくれるカッコ良い生き方を書いた。

 そこで、はじめて活字にしたのが ”女性が長期投資家を覚えたら最強” という、長い間じっくり温めてきた考えである。 新著が女性を対象にしているからというわけではなく、むしろ ”女性は最強の長期投資家だから、すごいことになるよ” と訴えたかった。

 どうして女性かというと、”私はこれでいい” といった具合の、すっきりしたこだわりが長期投資にピッタリくるからだ。 男の場合は、あれやこれやと情報を集めたり、いろいろ比べては ”ああだ、こうだ” で時間ばかり食っている。

 たとえば、長期投資はこれと思う企業を熱く応援することだが、女性は ”私はこの会社とこの会社を応援しよう” で、すっきり決まる。 ところが男は、”この会社もいいし、こちらも捨てがたいし” で、どんどん応援(?)対象を広げてしまう。

 そのうち株価暴落など応援機会が到来するや、女性は ”ここで応援したい会社を買えばいいんでしょう” で、ためらうことなく行動できる。 それが男は、”この情勢の変化の裏を確認してからでないと” とかいって、暴落の情報集めと今後の見通し談義に終始するケースが圧倒的に多い。

 投資なんて、安いところで買っておけば楽なもの。 女性は株価が少し戻ってきただけで、ルンルンの気持ちで前へ前へと進んでいける。 男の場合は、”まだ株価は上昇に転じる状況にない” とか ”業績動向を確かめてからでなければ、ここは動くべきではない” とかで、もう応援するという考えは念頭から消え去っている。

 ざっと、こんな具合だろう。 もちろん、女性も長期投資を試してみて ”なるほど、こういうことか” と納得するところから、最強の長期投資家への道が始まる。 やってみなければ、最強もなにもない。

 そこで男だが、ああだこうだ言わずに、先ずはすっきりと長期投資に踏み切ってみよう。 いまだったら、まだ株価も安い。 応援したいと思う企業の株を一度ためしに買ってみなよ。 そしたらわかる。 投資なんて安いところで買っておくと、こんなにも楽なんかと。

 きちんと情報を集めてから? 株価がやたら売られて安値圏にある、それが最高の情報である。