銭ゲバ投資と長期投資

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 新年度のはじめ、それも週明けから、えげつないテーマで書き出しとなってスミマセン。 最近のセミナーで、とみに多くなっているのが表記の話題である。

 もちろん、マーケットはありとあらゆる利害や目的が集まってくるところ。 だから、銭ゲバの投資家だろうが鉄火場のばくち感覚だろうが、参加者それぞれの自由である。 別に、長期投資家でなければいけないなんて、サラサラ思わない。

 個人的には、カミソリのような切れ味の鋭い投機に昔から強いあこがれを持っている。 われわれの長期投資が鈍刀で叩き切るような破壊力を見せるのと同じぐらい、本物の投機にはぞくぞくさせられるものがある。 むしろ、われわれの長期投資はいくらでも再現性を発揮できるが、カミソリのような切れ味の投機にはめったにお目にかかれない。 それほど貴重である。

 本論に戻ろう。 昨年の11月初めまで、ほとんどの投資家は青い顔をしていた。 こんなところで買いに入っても損をさせられるだけと様子見を決め込むか、機会あらば売り時を狙おうという人たちばかりだったはず。 だから、相場はダラダラ下げを続けていたわけだ。 それが、ここへきて皆やたら強気に転じてきた。 株価上昇がなせる業といえよう。

 ひたすら相場動向を見つめて、儲かりそうなチャンスは逃さないぞ、しかし損はご免蒙るという投資家は、個人のみならず世の機関投資家もみな同じである。 儲けよう儲けようでお金ばかりを追いかけているから、銭ゲバ投資家といいたくもなる。

 そういった投資家は昨年の11月までの下げ相場に手も足も出なかった。 どうみたって儲かりそうでない相場展開だから、買おうなんて気はさらさらないのは当然だよね。

 一方、われわれ長期投資家は経済の現場にお金をまわそうとする。 下げ相場であればあるほど、企業の株を買って応援しなければならないと、積極果敢に資金をマーケットに投入する。 経済はお金が動けばいくらでも元気になるから、長期投資家の資金投入は景気回復に不可欠である。 それを、リスク資金の供給という。

 その結果としての株価上昇をみて、多くの投資家が群がり集まってくる。 そして、経済全般にも明るさが出てきた。 こういった、長期投資家の鈍刀のような強さは、経済が弱い時ほど貴重なものとなる。 もちろん、昨年の11月までの積極買いは既に大きく報われ始めている。

どうだろう、日本にそういった長期投資家がもっともっと増えたらと思わない?