読み通りの展開となってきたが

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 昨年末からの株価の上昇を受けて、いま複雑な心境にある。 こちらは、読み通りの展開が一つずつ現実化してきて、ごきげんそのもの。 いよいよこれから長期投資の実りが積み上がってくるぞと、楽しみはどんどん膨れていく。

 ところが、一部のお客様からは ”基準価額が戻ってきた、早めに売っておこう” といった解約が増えている。 あるいは、長いこと成績低迷に苦しんできた、もう疲れたという方もおられよう。 誠に申し訳ない限りである。

 この5年間、すこしずつでも基準価額が上昇していれば、状況は違っていただろう。 最近の株価上昇でやれやれ売りに走られる方々も、せっかく見つけられた ”さわかみファンド” という長期の財産づくりの船に安心しゆったりと乗っていてもらえたはず。

 ここのところが、なんとも複雑な気持ちにさせられる。 われわれ長期投資家は、いつも10年くらいを一括りにして大きな戦略を立てる。 そして、買うものは断固として買う姿勢を貫く。 その時、たとえば株式市場が不振で株価が低迷しているならば、絶好の買い場とばかり、当面の成績を無視してでも買い仕込みを優先する。 

 その買い仕込みが、今回のように5年半も続くこともある。 だからといって、長期投資家は平気な顔して、資金ある限り安値の買い仕込みを断行する。 安いところを買っておけば、ほんのちょっと上昇相場の波が来ただけでも利が乗ってくる。 まさしく、今がその状況に入ってきたところだ。

 こちらとしては、読み通りの展開である。 成績の約束はできないが、この5年半の間に買い仕込んだ株式が、基準価額の上昇に大きな貢献をしてくれるだろう。 これまで散々ぱら売り崩されてきた鬱憤を思う存分に晴らしてやる、そんな思いである。

 いざここからだと気合が入ってきたところで、やれやれ売りの報告を受けると、なんとも辛い気持ちにさせられる。 投資のことだから、先行きどうなるかはわからない。 したがって、”こんなところで売ったら、もったいないですよ” なんて絶対に言えない。

 こういう時間軸が長期投資なんだと、多くの人々の腹に落とし込んでもらうまでは、この複雑な気持ちに襲われ続けるのだろう。 これも、真正面からぶつかっていくしかない、われわれの挑戦である。

 

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