新しい世の中を切り開く闘い

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 昨夜は、日本の金融に新しい風を吹き込んでやろうと意気盛んな経営者が集まった。 いずれもが、既存の金融機関が旧来のビジネスのスタイルや価値観にどっぷり浸っている横で、革新的なものを世の中へ提供しようとして日々頑張っている。

 日々頑張っているというよりは、日々悪戦苦闘の連続であるといった方が正解かもしれない。 世の中に新しい価値観を提示しようとしても、その良さはなかなか分かってもらえない。 受益者である顧客サイドは、相当に大きなメリットを実感するようになるまでは、既存の金融サービスから抜け出そうとはしないもの。

 身近なところでいえば、資産運用ビジネスがそうだろう。 預貯金に置いておいても年0.02%にしかまわらない。 それでも、国民の多くが預貯金は安全という価値観に凝り固まっている。

 預貯金に預けた資金が、かつてのように企業融資や国内インフラの整備に活用されるならまだしも、資金の多くがただ安全だからとかいって超低利回りの国債購入に向けられているのが現状。 これでは日本経済が元気になるわけがない。

 なんとか預貯金マネーの一部でも経済の現場に直接まわしたい。 その方向で財産づくりができていけば、一番いいじゃないか。 それが長期投資なのだが、世の中の反応は ”投資なんて” とか、”株を買うのはリスクが大きい” とかいって、なかなか一歩を踏み出してもらえない。 それどころか、本格的な長期投資を訴えているわれわれの存在すら知らない。

 この状況を打破するには、われわれ長期投資のファンドが圧倒的な成績を上げること、それも安定的に高い財産づくり軌道に乗っていることを実証するしかない。 世の中、百聞は一見にしかず。 本格的な長期投資が預貯金よりもはるかに有利だということが誰の眼にもはっきりしてくれば、放っておいても世の中が動き出す。

 そこまでの辛抱が、われわれ長期投資ファンドには問われる。 ところが、長期投資の実績が積み上がってくるまでは、それなりに時間がかかる。 それまでは、じたばたせず頑張り通すしかない。 わかってはいるんだが、これが各経営者にとっては辛いところである。 会社を維持するコストは日々かかる。 その資金繰りに追われながらも、長期投資を貫く覚悟と腹のすわりようが問われる。

 新しい時代を切り開くには、そのぐらいの試練を乗り越えるだけの迫力を持っていなければいけないのだろう。 まあ、みんな負けるものかで頑張っている。 この闘いを分かってもらえる読者の皆さん、どんどん応援してください。

 

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