誰も教えてくれない日本金融史

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 とんでもない研究成果が積み上がってきつつある。 ソーシャルキャピタル・プロダクション(SCP)が無料で提供しているインターネット TV 、 Investors TV で毎月の第2第4月曜日に放映している伊藤宏一先生の講座がそれだ。

 伊藤宏一先生は日本ファイナンシャルプランナーズ協会の理事であり、千葉商科大学大学院の教授でもある。 それよりなによりも、もともと哲学専攻であり文化やクラッシック音楽に造詣が深く、人間的にとても素敵な方である。

 その伊藤先生が日本の金融史をじっくり語ってくれる Investors TV の番組が、やたらわかりやすく面白いというだけではない。 これまでにない、すごいものになってきているのだ。 一度、番組を覗いてもらえば即座に納得しよう。

 世に多い経済や金融の研究論文は、どうも学術的に走りすぎている。 たしかに、学問的なレベルは高いかもしれないが、一般生活者には遠い存在となりがちである。 それでは、なんのための学問かと問い質したくなるが、学者先生方は難しく語ることで自分たちのすごさを世に知らしめようとしてやまない。

 ところが、伊藤先生の番組は ”なるほど、そういうことだったのか” の連続である。 だから、われわれ一般庶民も ”だったら、こうしたら良いのだろう” と次の行動に移りやすい。 これは重要である。

 経済や社会は一般生活者の毎日の生活が集まって、時々刻々と出来上がっていくものである。 先ずはじめに難しい理論があって、それに沿って人々が毎日の生活を織りなしているわけではない。 もっと自由で気ままに人は生きているはず。 そこで必要になってくるのが、生きていくうえでの知恵である。

 どう生きていくかで、”過去はどうであったのか、それがどう変わってきたのか” を知っておくのと、まったく知らないのとでは大きな違いとなる。 いま眼の前にある現実が、”なんだ、そういう流れがあって、そうなっているだけなのか” を学ぶと、判断の幅が広がり次の行動が楽になる。

 たとえば、まじめに貯蓄することが日本人の間で常識のようになっているが、”そういった意識を植え付けられた背景や、それで日本経済や社会が失った大切なものは何か” を、みなさん考えたことありますか? 伊藤先生の講座では、このような気付きが日本のお金の流れの歴史で、次から次へと展開されるのだ。

 あくまでも生活者目線で、日本経済や金融の歴史を語ってくれている研究書というものには、ほとんどないといっていいだろう。 伊藤先生の広い知識と深い歴史洞察から、生きていく上でのヒントを惜しみなく開陳してくれるこの番組は、いずれ歴史的に高い評価を受けることになろう。

 

 ブログへのコメントや質問への回答は、毎月第2第4水曜日20時より配信される生放送番組、「インベスターズTV水曜劇場」にてお答えしております。 当ブログでお答えすることはありませんので、ご注意ください。 インベスターズTV水曜劇場は http://www.investors-tv.jp でご覧になれます。

 

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