製造業の腹のすわった投資

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 昨日は金属素材では大手の、ある名門企業の工場を訪問した。 大きな工業団地の中でも、かなりの規模を誇る敷地に戦略工場が数棟と事務所棟が偉容を誇っている。

 それぞれ別会社になっている3つの工場設備を案内してもらって、その企業の戦略商品についてのみならず、技術的にもいろいろ勉強できた。 それにしても、どの設備も立派ではあるが、無駄はすべて削ぎ落としているといった緊張感が漂う。

 さすがは、間もなく100年という年輪を重ねて生き抜いてきた、世界的な技術を誇る名門企業。 半端ではない覚悟で長期視野の投資をされているんだなと、見学していて身の引き締まる思いだった。

 最後に案内してもらった新鋭工場は年内に竣工、来年1月からの生産開始に向けて50数名の社員が準備を怠りない。 生産開始となれば、100名強の従業員が働く現場とのこと。 とはいえ、一連の大型機械が林立しており、製造工程のほとんどは自動化され24時間稼動となっている。 その中で、 工員は最終の全品検査を中心に働くことになる。

 驚くなかれ、生産が始まるのは来年から。 その前に、もうこれだけ巨額の投資がなされているのだ。 まったくの新製品を世に出そうとしている意気込みは良しとしても、果たしてどれだけ売れるのかはやってみなければ分からない。 それでも、本格的な生産開始に向けての作業を着々とこなしている。 文字通りの長期視野に立った経営の覚悟、リスクをものともしない投資を粛々と進めている。

 この腹の括りようというか覚悟は、昨日訪問した企業だけの話ではない。 どの企業も大なれ小なれ長期の投資を断行しては、世の中が必要とする製品を作り出そうとしている。 

 そういった企業を応援しようという、われわれ長期投資家もやはり腹のすわった長期視野の行動が求められよう。 それでもって、良い世の中を築いていけるはず。

 

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