パイの拡大なしの分配

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 総選挙が決まったことで、株価は期待先行の上昇に入ってきた。 なにを期待しているのか? 民主党政権はもうこりごりだ、一刻も早く新しい政権が誕生してもらいたい、そんな期待もあろう。

 あるいは、民主党の経済センスの欠如ぶりはひどすぎたが、かといってどの政党が日本経済を立て直してくれるか知れない。 とにかく、いまは変化を歓迎するといったものかもしれない。

 思い出してみよう。 3年前の総選挙でも、状況は似たり寄ったりだったはず。 自民党による長期政権がもたらした利権まみれの政治にへきえきした国民は、抜本的な変化を民主党に期待したではないか。 あの時も、株価は大歓迎の意を表明した。

 その民主党がやったことは、自民党時代とさして変わらない予算のバラマキ政治ばかり。 それにうんざりした株式市場は失望感を株価下落で表明してきたわけだ。

 振り返るに、バブルが崩壊して21年間、日本の政治は方向感のない迷走を続けてきただけではなかろうか。 唯一の例外は、小泉政権による銀行の不良資産最終処理と郵政改革だったが、中途で尻切れトンボとなってしまった。

 その間、着実に肥大化したのは国の借金と国債の発行残高である。 つまり、自民党時代も民主党政権でも、ただただ予算を拡大させてはバラ撒き政治を延々と繰り返してきただけなのだ。 実際、この19年間に平均すると毎年19兆6000億円もの景気対策予算を投入してきたが、まったく効果を生み出せていない。

 本来なら、経済を4%以上成長させられるはずの巨額予算を19年間も投入し続けた。 それでも景気が浮上しないのは、予算のほとんどが利益誘導にばら撒かれ、無為徒食といっていいような既得権益層にただ飯を食わせ続けてきたからだ。

 経済のパイを拡大して、人々の生活を豊かにする。 その上で、社会的に必要とされる分配を考えるのが政治のはず。 それが、最初から分配ありきでは、真面目に働くよりも予算を分捕ろうとする人が増えるに決まっている。 そういった利益誘導や既得権の擁護をもって政治としている政治屋が多すぎるところに、日本経済低迷の根本原因がある。

 少子高齢化の急進展で、社会保障費負担など予算の肥大化は避けられない? そういった問題を一つ一つ解決していくのが政治ではなかろうか。 解決しないまま先延ばしをしていると、そのうち財政はパンクして年金そのものを支払えなくなる。 そうなれば、高齢者の生活はガタガタになり、国民にも大きなしわ寄せをもたらす。 誰にとっても良いことはない。

 いまこそ日本経済の抜本的な改革をきちんと打ち出して、国民に先憂後楽の政策を強く訴えるときだろう。 そのあたりのまともな経済政策を、どの政治家が提唱するのか、しっかりと見極めようではないか。

 明日夜8時からはインベスターズTVの生放送です。 ハワイの話もします。 http://www.investors-tv.jp

 

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