町工場の親父

Browse By

 昨日のテレビ取材は予想通り楽しかった。 きっと読者の皆さんも、インベスターズTVでたっぷりと楽しんでもらえると思う。

 取材と経営者インタヴューが終わった後、親父さんと食事した。 それがまた、いろいろ勉強になった。 その中のひとつを紹介しよう。

 その会社では一応は定年というものがあるが、親父さんは規則でガチガチなんてさらさら興味なし。 せっかく終身雇用で長いこと働いてもらったんだから、多くの社員にはそのまま働き続けることになんの異存もなし。

 さすがに高齢で仕事が辛くなった人から順に退職となる。 その先が素晴らしい。 退職した人が、工員たちが出社してくる7時に間に合うように、朝6時前から会社の周りや近くの道路などを清掃してくれているとのこと。

 お願いしたわけでもないし、なんらかのお給料を払うわけでもないのに、退職した人が勝手に清掃をしてくれている。 それだけ愛社精神が高いというか、会社を大事に思ってくれているようだと、涙が出るほど嬉しいと親父さんは言う。

 せっかく縁があって集まった仲間だから、その縁を大事にしたいという考えで経営されてこられたことが、社員の間に深く浸透している。 もちろん、危険の伴う現場仕事をやってもらう以上は、厳しく怒鳴ったりは日常茶飯事である。 それでも、経営の根っ子に社員を大事にする気持ちがあふれているからか、工場の雰囲気はすごく和やかだし明るい。

 100名を超える従業員と、こういった関係を築いてこられたのは、すごいことだと思う。 世界最高品質の製品を少量生産することに、会社の照準を合わせて、こじんまりとそれでいてしっかりと経営している町工場魂を垣間見させてもらった。

 

 【広告】

 本の紹介です。電子書籍版で、スッと読めるボリュームに抑えています。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。ちなみに、黒島の本は紙媒体も用意しております。

 澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id475297966?ls=1&mt=8

 黒島光昭「特許物語」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id459089234?ls=1&mt=8

 http://scps.shop28.makeshop.jp/shopdetail/002000000001/