高齢化と長期投資

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 日本が世界に先行して高齢化社会を迎え、そこでどう社会や経済を活性化していくかに悪戦苦闘している。 経済を積極的に拡大させ富を増殖していく生産年齢人口に対し、現役層の働きに多かれ少なかれ従属する高齢者層がどんどん大きな比率を占めるようになるのだ。 もちろん、医療費や年金など社会保障負担も著増する。 考えるだけでも大変なことである。

 そうはいうものの、年金など社会保障負担が増えるのは避けようがないが、増え続ける高齢層が現役層の働きに従属する度合いを軽くすることは可能である。 要は、高齢層が自分で食っていけるだけ、あるいはそれ以上の収入を確保できればよいだけのこと。

 そこで、大きな働きをするのが長期投資である。 いつも言っているように、自分も頑張って働くが、自分のお金にも働いてもらおう、そしてその二人三脚で経済的に自立して生きていこうが、成熟経済における重要な価値観である。

 その延長線上に高齢化社会があると考えれば簡単なこと。 もう子育てや教育費負担はないから、高齢者層の生活費は現役時代よりも格段に低くなる。 一方で、現役の頃から長期投資してきた複利効果が効いてきている。 かりに定年退職して給与収入がゼロとなっても、長期投資にまわしてきた資産が雪だるま式に膨れ上がっているのだ。 そこから少しずつ引き出していくことで、年金で不足する分はいくらでも補える。 つまり、定年後も経済的に自立して生きていけるわけだ。

 しっかり長期投資してきた高齢層が増えれば増えるほど、現役層の負担は減っていく。 この考えを普及させることで、高齢化社会の根本問題である、従属人口をどう食わしていくかの難問を解消することもできよう。

 それだけではない。 長期投資で働いてくれるお金そのものが、経済の拡大発展に積極貢献するのだ。 マーケットでひたすら値ざや稼ぎを狙うディーリングとは違って、長期投資は富の増殖に向けてお金に働いてもらう。 高齢層の長期投資は現役時代と同等に、もしかしたらそれ以上に経済の拡大発展に寄与することにもなる。

 ここまでは納得できたでしょう。 後は、さわかみファンドなどが一刻も早く本格的な長期投資の成功モデルを世に示せるようになることが、絶対的に問われる。

 

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 本を出しました。今回は電子書籍版として、スッと読めるボリュームに抑えました。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。

 
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