ユーロの将来

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 ユーロ崩壊の危機とか言われている。 日本のメディアにとっては格好の報道材料だろう。 なにしろ、なにごともにも不安心理を先行させがちな日本人の、それでいて知的好奇心が旺盛なところを上手い具合に煽ることができるのだから。

 別の見方をすると、海外ではユーロ危機とかいった新聞などの見出しに対し、人々の関心はそれほど高くない。 これは、9月にフランスを訪問したときも実感した。 ”ユーロはいまいろいろ問題を抱えているんだろう、それで政府は頑張っている。 で、なにか生活者に特別なことあるの” といった軽い反応が返ってくるぐらい。

 彼らはユーロの将来について、もうあきらめ顔なのか? そうではない。 おそらく、ユーロに参加している国々のいずれもが元の小国経済に戻る気はないはず。 拡大ヨーロッパの経済的政治的パワーを味わった彼らにとって、かつての小国の集まりに戻るなんて想定外もいいところだろう。

 ヨーロッパ統合に向けての大きな方向は崩すことなく、各国の不満や不利益を調整しながらも、少しずつ全体を纏め上げていくのが政治である。 その過程で、マーケットは短絡的な反応を繰り返すが、長い目では合理的な線に落ち着いていく。

 長期投資家はいつでも長い目でどっしり構え、マーケットがどたばた反応を繰り返しつつも、いつかは合理への回帰をしてくる流れをのんびりと待つ。 

     

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