英サッチャー、米レーガン改革

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昨日の延長になるが、成熟経済の建て直しに関し格好のモデルがある。

1979年に登場した英国サッチャー首相と、1981年に就任したレーガン大統領だ。

 

お二人とも、申し訳ないが国の財政は破綻状態にあり、もう何もできない。

やれる政策といえば、民営化と規制緩和を徹底し大幅減税を実行し、

国民の皆さんに頑張ってもらうことしかない。

そういって、その方向で断固たる覚悟で諸政策を次々と打ち出していった。

 

それでも最初の3年ほどは、まったくといっていいぐらい効果は上がらなかった。

野党や学者それにマスコミから非難ごうごうだった。

しかし、そのうち民営化や規制緩和で新しいビジネスがあちこちで芽を吹き出してきた。

ビジネスを立ち上げ富を創出しようとする事業家にとって、大幅減税は最大のインセンティブとなった。

 

そのひとつが金融ビジネスである。

徹底的な規制緩和で参入障壁をぶっ壊したから、

ロンドンのシティーがウィンブルドン化したとまで言われるほどに、海外資本の進出を許した。

英国経済を活性化させるのに、なにも英国資本を守る必要はない。

英国に産業を興して雇用を創出することが重要だ、という政策を断行したわけだ。

その結果、シティーの金融ビジネスは大発展を遂げた。

 

両首脳の果断な改革は、その後の10数年にわたる景気上昇につながっていった。

成長率も年4%近くにまで高まり、両国の国民所得は大幅に伸びた。

民間パワーを存分に発揮させた成果だ。

 

ひるがえって日本では、いまだに国が何もかもやろうとしては財政を肥大化させるばかり。

国の借金は国内総生産の2倍に膨らんでいるというのに。

一方、民間には資本の蓄積が進み、資金は山ほどある。

たとえば、個人の預貯金残高だけでも762兆円と、国内総生産の1.6倍という巨額さだ。

どうして、有り余っている民間資本を動員して日本経済活性化につなげようという、

成熟経済ならではの政策発想ができないのだろう。

 

政治家の資質が問題、利権や既得権益でがんじがらめになっている、

高齢者中心に改革を望まないなど、日本が変われない理由はいくらでも並べられる。

しかし、こんなジリ貧経済を次の世代に受け継がすわけには行かない。

そういった意識を持った人達から順に動き出すしかない。

 

そこでまたまた長期投資となってしまうが、

一番の利点は気がついた人からさっさと行動に移れることだ。

自分のお金を長期投資にまわすだけだから、誰にも気兼ねせず良い社会建設に向かっていける。

そういった自助自立の精神あふれる仲間をどんどん増やしていこうではないか。

 

明日あさってと北海道は帯広でセミナー。 そのため、ブログは2日間お休みとなります。

 

 

(お知らせ)

明日水曜日はインベスターズTVに出演します。

皆さん、ぜひ視聴してください。

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