選択投資しないリスク

 日銀が年間6兆円のペースでETFを購入したりと、世の中はETF(上場株式投信)ブームとなっている。 個別株をリサーチして投資していくよりも、平均株価などをひとまとめにしてくれたETFを買う方が、手軽だし銘柄分散も自動的にできてしまう。 コストも安いし、流動性が高いからいつでも売れる。 これだけ良いことを並べられると、ETFでもって株式投資の代わりとするのも一法と考えたくもなる。 しかし、物事には良い面と悪い面とがある。 ETFの場合、とりわけ平均株価などをひとまとめにして …続きを読む

投信の信託報酬(後篇)

 投信の信託報酬で一番の誤解は、信託報酬の率が低ければ低いほど、投資家顧客に有利とされているところだろう。 専門家もそれを主張するし、業界も信託報酬を引き下げることが投資家のためといった営業トークに、どっぷり浸かっている。 信託報酬額は定められた率でもって、日々純資産額から引き落とされている。 その上で、基準価額が算出される。 つまり、毎日発表される基準価額は、もうすでに信託報酬額を差し引いた、ネットの成績を表示しているのだ。 したがって、信託報酬の率が高かろうと、基準価額 …続きを読む

投信の信託報酬(前編)

 最近、投信の信託報酬を引き下げる動きが高まってきている。 いろいろごっちゃになっているので、ちょっと整理してみよう。 これまで日本の投信は販売のビジネスとして、手数料や信託報酬稼ぎの道具とされてきた。 次から次へと新しい投信ファンドを設定しては、乗り換え営業を繰り返してきた。 乗り換えの都度、毎回3%ほどの販売手数料を取り、ファンドを保有している期間中は信じられないほど高い信託報酬を徴収してきた。 昔からの悪しき伝統だが、さすがに金融庁も投資家顧客のためにはならないと、厳 …続きを読む

選ぶということの大事さ

 人生において、あれも大事これも大事といっていると、それこそキリがない。 そのうち、どれが本当に大事か分からなくなってしまう。 仕事でも同じである。 どれもこれも大事と思えてきて、どうしようって意識にまで振り回されるなんてことが、しょっちゅう起こる。 そこでだが、「選ぶ」の前に、さしあたっては「優先順位をつける」という癖をつけると、すごく楽になる。 いまやっておかなければならないもの、後にまわしていいもの、放っておいてもいいものの、3グループに分けるぐらいの作業なら、そう難 …続きを読む

先から目線

 どんな時でも嫌だなと思わされるのは、上から目線であれこれと指示されることじゃないかな。 逆に、すごく上の立場の人でも、同じ目線で語ってもらえると、その人の格というものに敬意を表したくなる。 ところで、「先から目線」というのはどうなんだろう? 先から目線といっても、自分が勝手につけただけの造語ではあるが。 この週末ずっと考えていたのだが、長期投資はいつも10年ぐらい先までまとめて考えようとする。 10年ぐらい先まで考えては、現在やっておくべき行動は、これとこれだと決めていく …続きを読む

長期投資できる仕組みをつくってきた

 世界を見渡しても、本当に長期投資をやれている運用会社は、おそろしく少なくなっている。 もちろん、営業トークとして長期投資を唱えているところは、数えきれないほどある。 ほとんどの運用会社が長期投資をやれなくなっているのは、運用を期待する側の方が長期投資の凄さと旨みを知らなくなっているからだ。 早い話、10年先のどうなるかわからない運用成績よりも、毎年かせいぜい3年ぐらいの成績の確かさを求めようとすると、その段階で長期投資の醍醐味とは無縁となる。 年金を筆頭にして、世界中の運 …続きを読む

長期投資で、お金の悩みから自由になった人たち

 表記の新著が日経BP社から出版され、来週の後半には店頭に並ぶことになった。 ファンナンシャル・インディペンデンスを達成した人々から取材した実話集である。 百聞は一見に如かずといわれるように、いくら長期投資を語るよりも、その成功者が身近に現れてくれる方が説得力がある。 著者は馬場さんだが、50ページもの前書きを書いたこともあって、自分との共著ということになった。 馬場さんが取材したのは50名近くで、そのうち20名の実話が新著で紹介されている。 残りの20数名と、これから続々 …続きを読む

観察力と思考力

 長期投資で欠かせないのが、観察力と思考力である。 世の中、とりわけ人々の生活や行動あるいは慣習といったものを、素直に感じ取る。 その上で、それらを現時点での社会現象や人間模様として捉えるだけではなく、歴史的な背景からはじまって、この先どう展開していくのだろうかまで、あれこれ考える。 いろいろ観察しては考える、そういった習慣をつけていくと、長期投資のヒントが次から次へと浮かんでくるようになる。 たとえば、投資は将来をつくっていくことだが、どんな社会をつくっていくのかで、こん …続きを読む

地方に住むほど有利

 最近、地方をまわっていて、静かに考える機会が増えた。 自分の場合、考えるといっても観察しながら、あれこれと仮説を立てるのが大好き。 そう、たとえば、東京に住むのと地方に住むのとでは、どう違うのか? その違いの中で、なにが不変で、なにとなには良い方に変えていけるのではないか? 絶対に変えられないのは、大自然である。 その気になれば、東京の四季折々もそれなりに楽しめるが、なんといっても地方で大自然に囲まれて生きていくのには敵わない。 もうひとつ、人や車が少ないということも、ゆ …続きを読む

長い一日になりそう

 2日間の出張中も、ひんぱんに東京のオフィスと連絡を取り合ったが、秋のオペラ公演が胸突き八丁を迎えている。 今日はおそらく、最終の決断をすることになるのだろう。 オペラ公演といっても、ただやればいいのではない。 いろいろなリハーサルに最低でも5日間はかけて、準備万端で気合を入れて本番を迎えるのだ。 それが、本物のオペラ文化をとことん追求してやろうとしている、さわかみオペラ財団の真骨頂である。 世界とりわけオペラの本場イタリアが、ウチを高く評価してくれているところでもある。  …続きを読む